8月 11, 2021 Hello Kids

オーストラリア人の健康的なライフスタイルとは?

ついに閉幕した東京オリンピック。

オーストラリアは、水泳やヨットなどの競技で、列強の各国を抑えて金メダルを獲得しました。

あらゆる年代の老若男女がスポーツを愛し、健康的なワークライフバランスを重視するオーストラリアのライフスタイルから私たち日本人が学べることとは一体なんでしょうか?

東京オリンピックのメダル獲得数から見ると、日本とオーストラリアは非常に良い結果となりました。

日本が過去最高の27個の金メダルを獲得したのに対し、オーストラリアは17個の金メダルを獲得し、これまでの最高記録を更新しましたが、その主役となったのは女子の水泳選手でした。

ご存知のようにオーストラリアの人口は約2,500万人と他国と比較して相対的に少なく、日本の1億2,600万人や、2位の中国(14億人)、1位の米国(3億2,800万人)の人口と比較すると、オーストラリアのメダル獲得数が6位であったことは賞賛に値します。

新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐために世界中が奮闘している中で、こうしたオーストラリアのアスリートの強さからどんなことを学ぶことができるでしょうか。

 

健康的なライフスタイル

クイーンズランド州政府は、健康で幸せなライフスタイルのためのガイドをウェブサイトで提供しており、フィットネス、食事、家族に関するさまざまな資料を掲載しています。

このサイトでは、健康的なライフスタイルを始めるためのヒントを紹介しています。

 

◆ ライフスタイルプランナー
1週間分の食事と運動のプランナーを提供しています。

◆ 食事・栄養管理
心臓病、がん、肥満、糖尿病などのリスクを減らすために、野菜や果物を積極的に摂りましょう。また、外食の際にはより健康的なメニューを選ぶ、砂糖入りの飲み物を減らし、水や無糖のお茶を飲むなどの工夫も心掛けましょう。


◆ エクササイズ
座りっぱなしの時間を減らし、適度に
体を動かすことは、余分なカロリーを消費するだけでなく、ストレスを軽減し、病気を予防し、睡眠を改善することにつながります。

こちらのガイドでは、毎日30分の運動を推奨しています。日々多忙でそこまで時間が取れないという方は、エレベーターの代わりに階段を使う、車や公共交通機関の代わりに徒歩や自転車で通勤するなど、日常生活における工夫が必要かもしれません。

 

また、オーストラリア政府のDepartment of Healthは、様々な年齢層を対象としたエクササイズのガイドラインを提供しています。

18歳から64歳までの成人の場合、ほぼ毎日エクササイズを行うことが推奨されており、週に少なくとも2.5~5時間の中程度の負荷の運動、または1.25~2.5時間の高負荷の運動と、週に2回の筋力トレーニングを行うことが推奨されています。また、座っている時間を最小限にし、長時間座り続けないことを推奨しています。

2012年に発表された同省の報告書によると、エクササイズと死亡リスクの低減との間には明確なエビデンスがあり、日常的にエクササイズを行っている人には有意なリスク低減が見られます。例えば、国際癌研究センターによると、がんの約4分の1は、肥満と座りっぱなしのライフスタイルに起因しているとも言われています。

 

Woman feet standing on Weight Scale on wooden background

肥満の増加

こうした健康的なライフスタイルがもたらすベネフィットや、政府が提供するガイドラインや各種のエビデンスにも関わらず、一部のオーストラリア人にとっても、日常的に健康的な習慣を身に付けることは容易ではありません。

2018年度には、18歳以上のオーストラリア人全体の3人に2人が過体重または肥満であると推定されており、特に男性や高年齢層にはこの傾向が顕著に見られます。

“過度な体重や肥満は、心血管疾患、喘息、腰痛、慢性腎臓病、認知症、糖尿病、一部のがんなど、多くの慢性疾患を発症する可能性を高めます。また、あらゆる死因の分析結果から、死亡率の向上と明確な相関関係が認められます。”と指摘しています。

OECDの「Obesity Update 2017」によると、肥満率が最も高いのは米国で、15歳以上の成人人口のおよそ40%が肥満とされています。これに対し、オーストラリアは27.9%でした。

一方、日本の肥満率はわずか4.2%で、OECD諸国の中で最も良い数値を示しています。これは、日本人の消費カロリーが欧米人に比べて低いことを示すデータを反映したもので、健康的な伝統的食生活に加え、ウォーキングやサイクリングなどの日常的な運動を多く行っていることが要因と考えられています。

また、日本人の平均寿命は男性81.6歳、女性87.7歳と、世界でもトップクラスの水準にあります。日本の女性の平均寿命は世界一で、男性はスイスに次いで2位です。

一方、オーストラリアの平均寿命も比較的高く、2017-19年に生まれた男の子の平均寿命は80.9歳、女の子は85歳にまで達する可能性が高いと言われています。

 

ワークライフバランス

OECDによると、仕事と日常生活の適切なバランスを見つけることは、すべての職務従事者が直面する課題であると位置付けられています。

「長時間労働は、個人の健康を損ない、ストレスを増大させることを示唆する証拠がある」と報告書指摘されています。

労働時間が長くなると、余暇や自分自身のために使える時間が減り、生活の質が低下してしまいます。

一方、日本では、17.9%の従業員が「非常に長い時間働いている」と回答しており、OECD加盟国の平均である11%を大きく上回っています。

「日本では、子どもを持つ親が仕事と家庭を両立させることが難しい。職場の慣習や住宅ローンや学習塾などの金銭的負担、社会的な規範などが若者世代の労働者に心理的なプレッシャーを与えている事実は見過ごせません」とOECDは述べています。

オーストラリアの人々は、食事や日常的なエクササイズに関して日本から学ぶべきことがある一方、日本はワークライフバランスを改善するためにこれまでの伝統的な企業文化や慣習を時代の流れに即して柔軟に変化させていく必要があることが示唆されています。