1月 9, 2020 Hello Kids

オーストラリアの幼児教育におけるテクノロジー活用の現状

近年では、幼児年代の教育ツールとしてタブレットやその他のデバイスが用いられるケースが増えてきています。

ただし、これらの使用に際してオーストラリアでは、教育者と保護者の双方による適切な管理を行うことが重要と考えられています。

では、この新しいテクノロジーやデバイスを現場の教育者たちはどのように活用しているのか、これらのメリットや懸念される点と共に見ていきたいと思います。

 

幼児教育でテクノロジーを活用するメリット

20年間にも渡る長期的な研究プロジェクトによると、子どもが4歳頃に受ける精神的な刺激が多ければ多いほど、「認知」と「言語」を司る分野の脳が将来的に顕著に発達していくことが明らかになりました。尚、ここで言う”精神的な刺激”には、新しいテクノロジーだけでなく、本やその他の教育玩具なども含まれています。

テクノロジーを活用することには、これまでの学習方法に勝る様々なメリットがあります。例えば、視神経とアウトプットを行う手との連携性、言語化能力、視覚的注意力、問題解決能力、動的な空間認知能力など、これらのスキルを効果的に向上させることができます。

幼児にとって、自分自身と家族が写っているデジタルの写真や動画を認識し、言葉にして表現することは、親や教育者とともに言語スキルを発達させるより良い機会をもたらします。

また、これらデジタル技術の発達によって、LINEやメッセンジャーなどのスマートフォンのアプリケーションなどを利用すれば、幼児でも写真やメッセージなどを送信し、大人たちと意図的にコミュニケーションを図ることができるようになってきたのです。

別の例を挙げれば、「Siri」などに代表される音声制御システムを使用して、子供たちの好奇心を駆り立てることもできます。

その他にもiPadなどのタブレット型デバイスではタッチスクリーン技術を用いることで、子供たちにタイムリーでパーソナルなフィードバックを行うことが可能になったことは教育分野における大きな進化と言えます。

教育者たちは、デジタル技術を用いて子供たちと共にコンテンツの作成やアイディアの具現化、学習内容の文書化など、様々な学習機会を設けることができます。

また、SNSやその他のプラットフォームを利用して子供の学習記録などを保護者や親と共有することもできます。

これら新しいテクノロジーの活用についての議論の中で、子供たちの身体能力の発達機会が失われてしまうことを危惧する意見があることも事実ですが、仮想ゲームデバイス(電子マットを用いたダンスステップゲームなど)やウェアラブルテクノロジーを使用した身体活動の測定など、デジタル技術を活用して新しい観点から身体活動を促進することを、オーストラリア幼児支援団体(ECA)は提案しています。

 

適切なテクノロジーの活用方法

幼児期の学習にデジタル技術を活用することには多くのメリットがありますが、教育従事者と保護者は子供たちの過度なテクノロジーの使用について注意し、適切なアプローチを行う必要があります。

オーストラリア政府は、デジタルデバイスの過度な使用により子供たちが無意識下に長時間座り込んでしまう習慣を形成しないように警告し、2歳以上の子供たちには1日1時間以内の使用制限を設けることを提唱しています。

デジタル技術の使用が、身体運動の機会を置き換えてしまうことがないように、適切な管理が重要であると考えています。

また、研究者たちが危惧しているのが「睡眠」です。

寝室でデジタルデバイスを使用する習慣があると、幼児の睡眠の質が大幅に低下することが明らかになっています。

さらに子供たちの健康は、デジタルゲームからの影響にも左右されていることが調査から認められています。

ゲームの中で欲求不満や失望を経験すると、その後他人に対して挑戦的な態度や行動を取りやすくなる可能性があるのです。

これらに対する対策としてECAは、教育者や保護者が子供たちがテクノロジーを使う時間に上限を設定したり、感情・情緒面でのサポートを行う必要性があることを説いています。

その他にも幼児教育や家庭で子供たちが使用するデジタルデバイスにフィルターをかけたり、年齢制限などを設定するなど、オンライン上の安全性に留意する必要があります。

 

オーストラリアの幼児教育におけるテクノロジー活用の現状

オーストラリアの教育に関する調査によると、小学校や中学校だけでなく、幼児教育の現場においてもテクノロジーが活用されるケースが増えています

Curtin Universityで教鞭を取るJuliana Zabatiero教授が2018年に行った研究結果から、オーストラリアの子供たちは主にテレビやタブレット、スマートフォン、デスクトップ、ノートパソコンなどのデジタルデバイスに1日平均86分を費やしていることが明らかになりました。この内、幼児期の子供については、テレビ、タブレットを中心に1日平均41分使用しているそうです。

また、Zabatiero教授は「”子供の好奇心や遊びを中心とした学習”というオーストラリアの幼児教育のコンセプトの実現にあたり、新しいテクノロジーが一層取り込まれるようになってきている」と述べています。尚、主な用途はゲーム(37%)、教育(23%)、ビデオ(21%)、その他(19%)となっています。

OECD諸国では、平均すると5人の生徒に対して1台のコンピューターが割り当てられているのに対して、オーストラリアの学校では、生徒1人に対してコンピューター1台が整備されており、教育の現場において子供たちが早期からデジタルテクノロジーを学び、将来に備えるための環境造りが徹底されています。

このようにオーストラリアでは、デジタルテクノロジーの導入と活用においても世界では一歩先を進んでいます。

今後ますます重要となるグローバルな視点を養うためにも、HelloKidsでお子様と一緒に親子留学を体験されてみてはいかがでしょうか?

きっとこれからの時代に必要な、貴重な学習体験ができることと思います。

(HelloKids事務局 Yuta)