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真夏のクリスマスが近づいてきた、ここオーストラリアのクイーンランド州の学校では、一足先にスクールホリデーと呼ばれる冬休み期間に突入しています。
国が違えば様々な事情も異なりますが、日本とオーストラリアの教育制度にもいくつかの相違点があります。
今回は、オーストラリアの特に未就学児及び小学校年代における、日本とは異なるオーストラリアの教育制度に関して、ご紹介をしていきたいと思います。
幼児期の子供たちに必要な教育環境とは?
オーストラリアではEarly Years Learning Frameworkという枠組みが、生後5歳までの子供の学びやその後の小学校入学への準備に関する原理・原則を示しています。
そのベースとなる方向性としてPlay-Based Learning、つまり ”遊びを中心とした学び” に特に重きが置かれており、社会性や感情面での発達に加えて、コミュニケーションや言語スキルの重要性を掲げています。
オーストラリア政府はこの枠組みの中で、子供の幼少期におけるアイデンティティの形成に必要な3つの要素として、「帰属・存在・生成」というキーワードを挙げています。
帰 属
子供たちは、家族やコミュニティ、文化などと関係を持つことにより、自らがそれらに帰属していることを感じる
存 在
子供たちは、様々な遊びや新しいことへのチャレンジ、そしてそれらを楽しむための時間を有する存在である
生 成
子供たちは、将来を形作る自分自身のアイデンティティを幼少期から形成し始める
またこの枠組みは、主に ”ゲームと遊び” を通じて子供たちを教える、イギリスのEarly Years Foundation Stageにも似ています。
日本では、幼児教育・保育の主な目的は、学習習慣や日常生活における基本的なルーティーンを学ばせるということが中心になっています。
幼稚園や保育園での時間の大半は自由な遊び時間に費やされ、先生からの指示も最小限に抑えられています。
では一体、”先生による指示やコントロール中心の環境”と、”より自由な遊び中心の環境”と、どちらが優れているのでしょうか?
この問いに関して、これまでにも様々な教育学者たちがそれぞれに異なる教育理論を唱えてきましたが、どちらが優れているというよりも双方の教育システムにメリットがあると考えることが必要なのではないでしょうか。
変化の激しい現代において、正解のない幼児教育に関する学習内容や教育方針など、日本のみならず海外を視野に入れた広い視野と複数の選択肢の中からご希望に合った環境を選ぶことが必要です。
いずれにしても、もしもあなたのお子様にオーストラリアを体験させるのなら、生涯を通じて財産となる世界有数の英語教育を体験できることでしょう。
オーストラリアのチャイルドケアサービスの種類
オーストラリアでは、Family day careやIn home care、Long day care、Occasional care、Outside school hours careなど、様々な種類のチャイルドケアや幼児教育サービスが提供されていますので、それぞれの特徴を順番にご紹介していきます。
Family day care(ファミリーデイケア)
チャイルドケアセンターのような施設ではなく、一般的な家やマンションのスペース内で先生同士のネットワークによって提供されるサービス。
終日、または数時間単位や必要なタイミングのみなどフレキシブルなスケジュールで利用することが可能です。
これらのほとんどは政府により認可されたサービスで、補助金交付の対象となっています。
In home care(インホームケア)
ファミリーデイケアとも似ていますが、保育者は利用者の自宅でサービスを行うのが特徴です。
病気や障害を抱える子供たちや遠隔地に居住する方にも最適です。
Long day care(ロングデイケア)
専用施設を利用したチャイルドケアサービスで、通常は午前7時半から夕方6時まで、6歳までの子供を対象にプロフェッショナルによるケアを受けることができます。
一般的に、子供たちは年齢や発達段階別にそれぞれのクラスに分けられます。このサービスの利用者も政府による補助金を申請することが可能です。
Occasional care(オケージョナルケア)
不定期の時間や必要な時間のみ保育サービスを受けたい親御様に最適なチャイルドケアサービスです。
Outside school hours care(アウトサイドスクールアワーズケア)
小学校年代の子供を対象に、一般的には7:30AM~9AM、3PM~6PMの通学前後の時間帯やお休み期間中のケアを行うサービス。
通常センターは小学校の敷地内に併設されており、ほとんどのサービスは補助金の受給対象になります。
チャイルドケアに関する政府のサポート
オーストラリア政府は、チャイルドケアに掛かる費用の補助や様々なサポートを行っています。
2018年7月2日より、新しいChild Care Subsidyが制定され、サービスを提供する企業へ直接支給されるように変更されました。
こちらの補助金の受給対象となるのは、オーストラリア国内に居住している市民権保持者や永住権保持者を始め、オーストラリア政府によって特別に許可されているその他のビザ保持者に限られます。
また、家計全体の課税所得や利用するチャイルドケアサービスの種類などによって、適用される金額が異なります。
このシステムは、それまでのChild Care BenefitやChild Care Rebateなどの補助金を提供していた旧制度に変わる新しい仕組みです。
年代別の教育制度と義務教育について
オーストラリアの各州および地域では、あるプリスクール(またはキンダーガーデン)はプライマリースクール(小学校)の敷地内で、またあるプリスクールは独自の運営がなされるなど、それぞれによって異なるアプローチがなされています。
オーストラリアでは就学前の幼児教育は義務教育には含まれていませんが、プライマリースクールへ通い始める前の年に、チャイルドケアセンターやプリスクール、キンダーガーデンなど様々な業態を通じて受けることができます。
尚、入学要件や授業料は学校や所属する州および地域によっても大きく異なります。
ゴールドコーストを含むクイーンズランド州では、2017年からプライマリースクールのYear1へ上がる前の年に、プレップ(Prep)と呼ばれる準備教育を受けることが義務付けられました。
オーストラリアの年代別の教育制度について、詳しくは下記の「クイーンズランド州の教育制度」をご参照下さい。
プレップへ入学をするには、入学を希望する年の6月30日までに5歳になることが条件となります。
手続きは、直接学校へコンタクトを取り、子供の生年月日を証明できるパスポートなどの書類が必要となります。
プライマリースクール(小学校)が始まるタイミングは?
通常、オーストラリアのプライマリースクールは1月下旬または2月上旬に始まり、4学期制となっています。
一方、英語の語学留学などでオーストラリアを訪れる場合には、約5週間から1年間程の期間の受講が一般的で、随時入学が可能となっているところがほとんどです。
他方、イギリスに目を向けてみると、学期が始まるのは9月上旬で、3つの期間に分けられています。
国が定めるカリキュラムは5つの段階に分類され、すべての子どもたちは16歳までにすべての教育カリキュラムを受講する必要があります。
さて、次はアメリカについて見ていきましょう。
アメリカでは、一般的には8月中旬に新学期が始まり、6月上旬に終わります。
子どもたちは5歳の時にキンダーガーデンに入園し、続く6歳からはエレメンタリースクール(小学校)、グレード(学年)6から8でミドルスクール(中学校)、グレード9から12でハイスクール(高校)に通うことになります。
このように、国によっても年代別の教育制度や期間には違いがあることがお分かり頂けると思います。
いかがでしたでしょうか?
今回は、オーストラリアの教育の仕組みや、国によって異なる教育制度などについてご紹介致しました。
オーストラリアを始めとした世界の様々な国の教育に関する考え方や取り組みに実際に触れることは、お子様や親御様ご自身にとってもきっと新しい発見の機会になるのではないでしょうか。
HelloKidsプログラムを通じて、これからの未来を生きるお子様の成長と発達を、事務局一同、精一杯サポートさせて頂けたらと思います。
